面会交流調停の要点と取り決めにあたっての注意点
離れて暮らす親子が話をしたり遊んだりする「面会交流」については、親同士の協議のほか調停でも話し合うことができます。
どちらも双方の合意により内容が決まりますが、調停ならではの注意点もあります。
ここではこの面会交流調停について、押さえておきたい要点や注意すべき点を紹介します。
面会交流調停が必要になるケースとは
面会交流調停が必要になるのは、子どもの両親が離婚や別居をするときの面会交流について話し合いが難航するケースです。
親同士の話し合いだけだと合意に達することができず、感情的な対立や意見の不一致が生じた場合、建設的な話し合いやより良い和解案を求めて調停を申し立てることになります。
また、離婚後に親権者が変更される場合や、面会交流の取り決め通りに実行されていない場合などにも調停が利用されます。
さらに、子どもの成長に伴い生活環境や学校のスケジュールなどに変化が生じることもあるところ、そのとき面会交流の内容を見直しが必要になることもあるでしょう。その変更手続きとして調停が利用されるケースもあります。
面会交流調停で当事者がしないといけないこと
面会交流調停において当事者が果たすべき役割は多岐にわたります。
まず、調停が円滑に進むよう、両者が冷静かつ建設的な姿勢で臨むことが求められます。また、調停の進行においては過去の出来事や現在の状況を詳細に説明することが必要です。これには子どもとの関係性や面会交流が子どもに与える影響について、具体的な証拠や情報を提供することも含まれます。
さらに、調停委員から提案される解決策に対して前向き・柔軟に対応する姿勢も重要です。調停であっても結局は双方が歩み寄り、妥協点を見つけなければいけません。一方が頑なに拒み続けていると調停も成立させられませんので、調停委員の意見も受け入れながら手続きを進めていきましょう。
自分の希望を固守するだけでなく、相手の立場や「子どもにとって本当に必要なことはなにか」を考えて合意を目指すことが大事です。
調停の申し立て方法
面会交流調停の申し立てができるのは父と母です。申し立てをしようとする方が、相手方の住所地にある家庭裁判所に対して申し立てを行います。
※当事者の合意で別の家庭裁判所に申し立てをすることも可能。
申し立てにあたっては以下の準備も進めておきましょう。
- 申立書の作成
※申立書の写しも1通必要 - 子どもの戸籍謄本の取得
※全部事項証明書 - 収入印紙1,200円分
※子ども1人あたりの金額 - 連絡用の郵便切手代
※金額は申し立て先により異なるため要確認
審理を行うために別の書類について提出を求められるケースもありますので、裁判所から求められたときはその通りに準備しましょう。
なお、申立書の様式や記入例についてはこちらから確認することができます。
調停で面会交流について取り決める際の注意点
面会交流調停で合意を形成する際の、いくつかの重要な注意点があります。以下の点に留意して調停に臨みましょう。
面会交流のルールの決め方
面会交流のルールについて決めるとき、ある程度相場を踏まえて設定することが大事です。双方の納得があり子ども負担も大きくなければ好きなように定めることもできますが、相手方の納得が得られていない状態で一方的な条件を課すことはできません。
例えば一般的な頻度としては「月に数回」で、多くても週に1回程度でしょう。これを「毎日」とすることは現実的ではありませんし、「2日に1回」とするのも負担が大きいです。調停を申し立てたからといって申立人の希望通りにいくわけではありません。
欠席を続けない
調停の期日に欠席し続けると、調停が不成立となります。つまり欠席をしただけで一方的に相手方の希望通りの結果になるわけではありません。
ただ、欠席により調停が不成立になったあと、手続きは「審判」へと移行し、裁判官が決断を下します。審判では調停での状況や調停において提出された資料などを踏まえて結論が出されますので、欠席を続けていると出席をした側に有利な結果となるリスクが上がってしまうのです。
そのため調停が相手方により申し立てられた場合、こちら側も意見を主張するために参加し、説得力を高める資料の準備を進めておきましょう。
調停委員に正確な情報を伝えること
調停の期日では、主に調停委員と話をすることになります。
そこでは、現在の子どもとの関係性や離婚・別居に至った理由、面会交流に求める条件などさまざまな事情を聞かれます。
できるだけ有利にしようと、自分に都合の良い話をしたくなるものですが、調停委員に嘘の情報を伝えないように注意してください。
後々整合性が取れなくなり虚偽であったことが発覚すると審判にも悪影響が及びます。
面会が許可されないケースもある
相手方から面会交流について拒否されている場合でも、調停を経て実施する方向に話を持っていけるかもしれません。
しかし、調停を使っても必ず面会交流ができるようになるわけではないということは覚えておきましょう。
例えば10歳を超える子どもが面会を嫌がっているケース、離婚に至った原因が虐待にあるケース、過去に子どもを連れ去ろうとしたことがあるケースなどでは面会交流の許可を得るのは難しくなってしまいます。
そもそも面会交流とは子どもの利益のために実施するものですので、親の都合ではなく子ども目線で考えなくてはなりません。
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- 早稲田大学法学部卒業
- 1983年4月 弁護士登録
- 東京都出身
- 目に見える形で、直接困っている人の役に立てる職業であるというところに魅力を感じ、弁護士になりました。
- 趣味はアコーディオンです。希望があれば相談時にも弾きますので、興味がある方はお申し出下さい。
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